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二十六歳の地図

日記・詩・小説をつらつらと書き綴っています

2015/10/15

どれほどの時間をかけて悩んだだろう

どれほどの答えを期待して裏切られただろう

あと何度、自分を嫌いになれば幸せになれるのだろう

 

おれは死ぬのだろうか?

ほんとうに自ら死を選んでしまうだろうか?

 

でもなぜ俺が死ななくてはいけないのか

俺は平凡な25歳の青年ではなかったか

労働意欲のなさがそんなに罪深いことなのだろうか

 

ほんとうは死にたくない

むしろ長生きしたい

俺のこのどうしようもない脳みそを変えてほしい

死にたくないと考えるたびに、死の欲望が頭を支配しようとする

俺はただ読書をしたり映画やアニメを観たり、夜空の星を眺めたりして生きていきたいだけなのに

社会や世間なんかじゃなく、おそらくは自分自身がそれを許しちゃくれない

俺の上にのしかかる人生という巨大な物体が身動きを取れなくする

そして、いずれ潰されてしまう

もうその時は近い

とてもとても近い

 

平凡や普通なんてものは幻想にすぎないが、それでも普通に生きていけたらと思ってしまう

いままで出会ったすべての人や動物や植物、ささいな生命への感謝を

これまで受けた優しさに包まれながら安らかに眠ります

 

2015/10/11

前日の記憶、とくに書いた文章の記憶がない。

ツイッターやLINEのやりとり、小説の内容さえ、誰がこんな風に書いたんだと驚きを禁じ得ない。

やはり薬と酒のせいだろうか? でも薬も全然問題ない量(ちゃんとヤバイ量はわかってる)だし、酒も酔ってきたら吐きたくないからそれ以上飲まないし。

ちなみに、さいきんは梅酒をサイダーやオレンジジュースで割って飲むのが好き。美味しいし、そこまで酔わない気もする。

 

小説のほうは、書いてる時は寝食忘れて夢中になるけど、これで完成!という形にまでもっていくのが難しい。というのも、次の日に再読すると違和感ばかり覚えて際限なく修正してしまうからだ。

いまも、いくつかの作品を並行して書いてるけど、まだどれも満足した出来まで到達できていない。というか到達する自信がない。誰かに読んでもらうなんて論外で、自分で読みなおすのさえ恥ずかしいときもある。要は気分によって感受性が変化するので、ひとつの作品を作り上げることが出来ない。昨日すばらしいのが書けた!と思っても、次の日には、なんであんな恥ずかしい文章書いたんだろう…と自己反省する。

小説家だけでなく、様々なプロのクリエーター達はどのように作品を完成させるのだろうか。なに明確な基準をもって完成とするのだろうか。締め切りとかあれば、否応なくそれがとりあえずのマイルストーンになるのかもしれないけど。

ただ生きるために書いてる俺みたいな人は、自分で作品を思い切って終わらせないといけない。いまはまだその決断力に欠けてるのだろう。少しずつでも作品を書いていくうちに、身体的に習得できるようなものなのかもしれない。

 

いずれにせよ、ここ数週間の自分を客観的に観察してみると、多重人格としか思えない行動が多く、作品の内容も修正の仕方も一貫性がなく、その瞬間の勢いだけで動いてる。一貫性というものにこだわりすぎるのも問題であるが、ひとりの人間の人格が分裂しているというのは、本人にはたいへんなストレスなのだ。俺の場合、いわゆる「多重人格者」にありがちな、スイッチを切り替えるように急に人格が切り替わるものではない。今日は雨だからとか良い映画を観たとか夢で死んだ人と会話できたとか、そういう精神的な要素で人格がモデレートに変化する。なにかの症状なのかもしれんが、俺はもうどう考えても健常者ではないので、どんな病名がついたところでなんの意味も動揺もない。

 

俺は毎日、今日もこの世界でどう生きていくかってことばかり考えてる。なので基本的に、他人になにかしてあげるということが出来ない。ただ、これから小説や詩を書いて、それを誰かが読んでなにか感じてくれたらって思ってたけど、人前に提出することも今はしたくない。これを書いてる午後22時時点に限っては。

だけどいつかは必ず見せたいと思ってる。俺が考えて俺が書いた俺だけの物語。俺にしか書け得なかった世界にひとつの物語。創作ってのは子どもの頃には誰もがやっていたものなのに、大人になると誰もやらなくなる。他人の創作物を鑑賞するだけになってしまう。

どうやら俺は創作しないと生きられない人種らしいとわかってきたので、なんらかの創作活動は辞めないと思う。やめたら死ぬときだから。

 

 ほんとに不安定で、言うことととやることが違うのはしょっちゅうだし、世話になった人には心配かけてばかりでなにも恩返しできてない。そういう人間なんだ俺は!って開き直ることもあるけど、やっぱり申し訳ない気持ちがこみ上げてくる。

 

これから『アダムス・ファミリー』観て、余裕があったら小説書いて、またまた気分が良かったらメアド教えてくれた方々には原稿送ります。

Nothing

もっとうまくやれたはずなのにと後悔してみても時間は進んでゆく

少し立ち止まって過去を振り返ってみても時間は進んでゆく

もうずいぶん歳を重ねてしまった

 

なにも成せぬままに

なにも残せぬままに

なにも愛せぬままに

 

今日もまた、欲望と悲哀が飽和した街をさまよい歩く

汗と涙と血で湿った街中には無償の愛がある

誰もが無垢な子どもであった時間を忘れ、社会の構成員としての役割を果たそうとしている

 

愛されたくて、愛したくて、わけのわからぬ他人と寄り添い、不確かな言葉で互いを探っている

 

恵みの陽射しも失われ、夜風とネオンサインに包まれると孤独を感じる

慰安の場に流れ着くと、すぐに慰め合いがはじまる

もっと懸命に生きれば、自分のことがわかるのかもしれない

 

灰になってしまう前にやるべきことがある――

長文を書こう

 ツイッターなどの短文コミュニケーションに慣れてしまうと、対面での会話における自分の考えや感情の伝達能力が低下するように思う。個人ブログや仲間内での日記というものも、数年前までは身近に存在していた。いまはブログをやってる一般人は少なくなってしまったようだ。

 

 多くの人が長い文章をまとめて書くという経験をしなくなった。それこそ仕事や学校のレポートや資料作りのような提出義務という形で取り組むことがほとんどだろう。

 自分の意見を、誰かを説得するためでもなく、誰かに訴えるわけでもなく、誰かに評価されたいわけでもなく、ただひたすらに書き綴る。そういったことは時間に余裕のある人間が趣味でやることになった。

 

 俺はどちらかと言えば喋りながら考えるタイプだけど、自分の意見を書くという作業をやると、思わぬ思いつきや華麗なロジックにしびれることがある。書いてみなければ思いつかなかった表現や論理構成がある。

 

 ところで、言うまでもないが書き言葉と話し言葉は違う。とくに日本語はその差異が大きい。われわれは決して本に書かれているような日本語で喋らないし、逆に普段の話し言葉で文章は書かない(さいきんは言文一致が流行りっぽいけど)。同じ意見を表明するにしても、書き言葉から話し言葉、またはその逆で伝えるという訓練をすると、意見をより強固に説得的に強化することができる。

 

 俺はmixi時代から長文日記を書いていた。でもよく読むと内容はほとんどなくて、でもなんか重要なことを言ってるような気がするような文章ばかり書いていた。キーボードでひたすら文字を打ち込んでると、ある種の変性意識状態のようになって手が止まらなくなったりする。あの感覚はプログラミングに没頭して寝食を忘れる感覚に似ている。

 

 このまま短文文化が根付き、あらゆる意見は簡略化できシンプルな主張に変換可能、という風潮になると政治的、文学的、社会的にもやっかいなことになるだろう。

 普段ツイッターやLINEでしか文章を書いてない自分に対する訓練として、ブログや小説も続けていけたらと思う。

 

 とにかく質より量が重要。そこは根性論でオッケー。書いて書いて書くことが尽きても、書くことが尽きたと書く。表現欲求が尽きない限り、書き記すという行為に価値は宿る。俺の文章はちゃんと読むと支離滅裂でナンセンスだが、内容など後から脳内で修正すればよい。

 

 

 まずはひたすら書くこと!!

 記録すること!!

【小説】奈之浜diary

 

 

 夏の終わりの奈之浜海水浴場は独特の雰囲気に満ちていた。日中あらゆるものを照らしていた赤い陽がようやく沈み、奇妙なほどの静粛に閉ざされた海を見ていると、こうすけの胸には穏やかな気分と不安な気分とが同居していた。

 こうすけは陽が沈んでからの時間に海を眺めに来るのが好きだった。自身に”好き”という認識があったかは定かではないが、ほぼ毎日の習慣として今日も家から徒歩数分の奈之浜に来ていた。

 日中と違い、海中は果てしない闇の世界のように思える。魚や藻類の姿も見えず、この闇の世界に生き物が生息しているとはとても思えなかった。

 こうすけはジーパンの左ポケットをまさぐり、ポータブル音楽プレーヤーを取り出した。慣れた手つきで操作しイヤフォンを両耳にかけた。

 流れてきたのは少し悲しい恋の歌だった。こうすけのお気に入りのアーティストの代表曲だった。いつもはこの曲を聴くと感傷的な気分になったものだが、この日はなぜか爽快な気分だった。 

 

 ふと、後方から人の声が聞こえた気がした。こうすけは左耳のイヤフォンだけを外し、振り返ることなく片耳を澄ました。

「……おーい」

 それは女性の声だった。いまこの周辺には自分しかいない。つまり声の主はどうやらこうすけに呼びかけているようだった。

 こうすけには声の主が誰であるかだいたい予想できた。片耳にイヤフォンをかけたまま振り返りると、遠慮がちに右手をふりあげた。

 なつみがボーウィッシュな短髪をなびかせながら笑顔で駆け寄ってきた。わざわざ走る必要もないだろうに、とこうすけは思っていた。

「まーた海見てんの? 暗くてなんにも見えないでしょ?」

 なつみは軽快な動きでこうすけの隣に腰掛け、同じように漆黒の海を見つめた。

「お前んち、今日はカレーだろ?」

 なつみは一瞬だけ虚を突かれたような顔をしたが、すぐにいつもの笑顔に戻った。

「やっぱりカレーって匂いですぐわかるよね。今日の部活けっこうハードだったから妹の分も少しだけ分けてもらっちゃった」

 ソフトボール部に所属しているなつみは決して才能あふれる選手ではなかったが、練習メニューを全力でこなす姿や持ち前の天真爛漫な振る舞いによって監督やチームメイトの信頼も厚かった。

 一方、こうすけは部活には所属しておらず、ホームルームが終わるとそそくさと帰宅し、趣味の世界に没頭する日々だった。

 ロック調の曲を聴き終えると同時に、こうすけは右耳のイヤフォンも外して元のポケットにしまった。

「今日進路相談あっただろ。もう周りの連中はおおかた決めてるようだし、お前はどうすんだ?」

 こうすけからこういう類の話題を切り出し始めることは珍しかった。

 なつみとこうすけは幼稚園からの付き合いで、もう14年になる。互いの表情や会話のテンポ、抑揚などで感情の機微を感じ取ることは造作もなかった。このとき、なつみはこうすけの中に不安や葛藤のようなものを感じ取っていた。

「あー進路ねえ。わたしは正直あんまり深く考えてないんだよね。勉強して大学に行ってもいい気もするし、どこかの聞いたことない会社に就職してもいいし。あっ!保育士とかいいかもね~。どう? わたし向いてそうでしょ?」

 あまりにもあどけない眼差しを向けてきたので、こうすけは肩の力が抜けて心のなかで笑みをこぼした。

「お前が保育士ねえ。まあ向いてそうだけどほんとにやる気あんのか? 先生はやりたいことやりたいことってやたら言うけどさ、俺全然わからないんだよなあ。自分のことなのに考えても考えてもさっぱりわからない。普通みんな夢とかやりたいことってあるもんなのかな?」

 こうすけはなつみ相手にしかこういう話はしない。自分の漠然とした悩みや鬱屈をなつみには隠さずに伝えてきた。そしてなつみも懸命に応えてくれた。こうすけの心の中心には常になつみがいた。好きとか仲良くしたいとかそんなのとも違った感覚。付き合いが長くなると自然とそうなるものなのか、こうすけにはわからなかった。そしてなつみの本心も。

 「なによ~いつになくマジメじゃないの~。でもね、先生は純粋に生徒にはやりたい道に進んでほしいと思ってるだけだと思うわ。だから生徒の本心を引き出そうとするの。たまたま担任になったからって、たかだか出会って数ヶ月の人間のことなんてわかるはずないのにね」

 いつになくマジメに淡々と話すなつみの姿に、こうすけはいつもと違う様子を感じた。

 「あとね、やりたいことなんて考えるだけ無駄よ。そもそもやりたいことが無事見つかってその道に進めたとしてどうなるっていうの? うまくいけばいいけどうまくいかなかったら? そんなの、より惨めなだけだわ。なにかの目標に向かってひたすら突き進んでる人っているじゃない? あたしね、なんとなく苦手なの。ああいう人たち」

 終始うつむきながら、見えるはずもない海の底を懸命に見ようとしているかのように話し続けた。

「あたし、こうすけのことが好きよ。だっていつも悩んでる。不安でしかたないって顔してる。友だちとバカやってる時だってひとりだけ違う景色を見てる。ようは不器用でいまだに子どもみたいな奴。純粋なんてキレイな言葉は使わないよ。ただ、わたしはあなたにずっと惹かれてたわ」

 なつみの告白ともとれる言葉にも、こうすけはさほど驚かなかった。数分間の沈黙が場を支配したが、なつみはついに耐え切れなくなった。

「ちょっと! あんたもなにか言いなさいよ。変な感じになっちゃうじゃない!」

 なつみのつり目気味の瞳がこうすけの横顔を捉えた。

「う~ん……まあ俺とお前の仲だしさ、好きって言われてもちょっと意味が違うよなあ。まさか付き合ってくれってわけじゃないんだろ? じゃあ好きってなんなんだろう。でもたしかにお前と一緒にいると心地いいかも。昔からずっと」

「なーんだ、そんじゃあんたもわたしのこと好きってことじゃん」

「えっ! そうなるのか!? 」

 こうすけの過剰な反応に、なつみはこうすけの背中を軽くたたいておどけてみせた。

「ふふ、なんだかあたし達ってこの小さな街でいちばんのバカみたいじゃない? ちょうど頭もバカだしね!」

 二人とも勉強が不得意というわけではなかったが、一定上の努力をせず成績は常に中の下を定位置としていた。

 闇がその支配を強める中、こうすけは地面に背中をあずけ、完全に仰向けになった。

「お前、卒業して街を出てからもがんばれよな。俺みたいに愛想悪くないし社交的だし、大丈夫だとは思うけどさ。なんていうか、ちゃんと幸せになれ」

「あらら~、たまには嬉しいことも言ってくれるのね。あたしはあんたが心配でたまらないけど、同時にそこが魅力でもあるからずーっとこのままでいてほしいな。なんにも変わんなくったっていいのよ」

「そんなもんかな…」

 声にもならぬほどの言葉をつぶやくと、こうすけはなつみの横顔をチラリと見た。整った横顔を見るのが好きだとなつみに言ったことはない。数秒見つめると満足して目線を戻した。

 すっかり闇に包まれた空にはひときわ明るい星が輝いていた。二人は夜空を見上げてなにを思っていたのだろうか。学校のこと、恋愛のこと、将来のこと、家族のこと。考えるべきことはたくさんあったが、二人は互いの心に空いた穴にはめこむピースを持ち合わせていた。そしてそのピースをはめこんだ瞬間に調和が生まれ二人の世界が完成する。不安も悩みも欲望も寂しさもない。”いまここのこのわたしたち”という完全なる安らぎを感じていた。その一瞬はすぐに日常的な義務や他人への配慮というものにとって変わられ、いつもどこかへ雲散霧消してしまった。

「俺、メシまだだからそろそろ帰るわ。なんか俺までカレー食いたくなってきた」

 こうすけは立ち上がって背中と尻の砂ボコリを適当に払うと、学生カバンを抱え上げた。

「あたし…まだ帰りたくないな」

 こうすけの耳にかすかな声が届いたが、内容までは聞き取れなかった。

「え? なんだって?」

「あたしもまたカレー食べたくなったって言ったのよ! それくらい聞き取れバカっ! 難聴っ!」

「いや、お前がボソボソ言うから聞き取れなかったんだろ! しかしまだ食うのかあ? 太ってまともにソフトできなくなるぞ」

 なつみは諦めたように立ち上がり、こうすけと同じ方角に歩いた。なつみの家はこうすけの家から約100m離れており、海からはこちらのほうが近かった。

「家から海が近いってのはいいよな。やっぱり海って人が生きていく上で不可欠だよ」

「なに意味分かんないこと言ってんのよ。海水飲んで生きてるわけじゃあるまいし。海なんて落ちたら死ぬのよ? あんたほんとにわかってるの?」

「お前、年取るにつれて俺に対する言葉キツくなりつつあるよな…」

 なつみが一瞬だけ例の笑顔を浮かべたが、すぐにもどした。

 

 数分歩くとなつみの家にたどり着いた。決して広くはない中庭には中古のラパンが無造作に停めてある。家の中からは末っ子らしき女の子の声が響き渡っている。

「じゃあまた明日な」

「うん、またね」

 普段のなつみの機敏さが感じられない。こうすけにはなつみが玄関を開けるのを躊躇しているように見えた。というよりもなにかもうひとこと言いたげな様子だった。そのとき、とっさに言葉を発していた。

「なつみ! あの…幼稚園からいままでありがとう。そしてこれからもできたらずっと……なんていうか、一緒にいれたらいいかなって!」

 少し興奮状態のこうすけを見て、なつみは真っ直ぐこうすけの目を見て話した。

「ありがとう。あたしはこうすけのこと心から愛してる。好きとか尊敬とかじゃなく愛してる。こういうこと言うの一生ないかもね! 言えるチャンスがあってよかった。ありがとね」

 そう言い終えると、なつみは笑顔のまま玄関を開けた。

 

 その日の夜、こうすけは自室で似合わないことをやっていた。日記を書いていたのだ。もちろん直接的な表現は避けたが、なつみとのやりとりの中で感じたことを素直に文章にしてみた。すると自分でも驚くほど、書かれた言葉たちがこうすけの感情と融合し、形容しがたい恍惚感を覚えた。

 こうすけはその日以降、高校を卒業し自衛隊に入隊、やがて同僚と結婚し一子をもうけるまで休むことなく毎日書き続けた。

 その手書きのノートのタイトルは『奈之浜』だった。

 

 

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On the way

すべてをゼロにしてやりなおせたらと思うけれど、おそらく同じようなことを繰り返すだけだろう

毎日のひとつひとつの出来事に真剣に向き合い、情熱を向けていけたらいいんだけれど

新しいことを始めてみても長続きしない

俺がほんとうにやりたいこと、やるべきこと

それがなんなのかわからず苦しんでいる

もっと素直に友人と遊ぶのが楽しかったり、美味しいもの食べて笑顔になったり、愛しい人とのひとときに癒やされたり

そういうことで満足できたらこんなに苦しむこともないような気がする

生きることは悩みと不安で舗装された道を歩いて行くようなもの

一人ひとりに専用の道が用意されている

他人と一緒に歩くことなどできない

孤独にどこまでもひとりで行くしかない

俺は小さい頃に人一倍の孤独を感じていたのかもしれない

オトナになっても、どれほどの人の優しさや愛情を受けようとも、孤独であるという絶対的な感覚は失くならない

たとえ愛されて育っても、心には空白ができる

ささいな経験や投げつけられた言葉や傷つけられた傷によって、少しずつ心が侵されていく

もっと周りの期待に応えられるような善い人間になりたかった

たとえ金もなく才能もなく知恵もなくても、善い人間であればそれでよかった

もうなにもかもが手遅れなんだ

 

 

 

 

9/20

いつだって孤独であることが好きだった

集団の中にいるのが窮屈で仕方がなかった

流行りの歌は耳障りで、ますます閉じこもるようになった

高層ビルが覆う空を見上げても、以前のように安らぎを感じなくなった

早足で駆けてゆく人々の行方を想像するクセがついた

人間という生物に生まれ、やることと言えば食って寝て働いて快楽に身を委ねること

生まれちまったことを嘆いてもどうしようもない

この絶望的人生になにを賭けるべきか

なにもかもが空虚で周りの連中の言うことも理解できない

世間や普通やまともとは、各々が作り上げた幻想にすぎないのだろう

そうであれば世間の目とは自分の目にほかならない

俺たちはまたもや自分で自分を縛っているんだ

なんと愚かで学びのない生き物だろうか

人間であることの身体的制約や脳のスペックの限界にうんざりするようになった

腹は減るし眠くなるしメンテナンスだけで一日の大半を使ってしまう

精神活動などやるようにできてないんだ

交尾して子孫残せば万事オッケーということなのか

それ以外の行為はすべて暇つぶしにすぎないのか

テクノロジーも文化も人間の欲望の産物だ

なにかを欲望することでしか発展できない

欲望は一方では悪しきものと考えられている

 

俺は素直に気持ちよく生きたいと思ってるだけ

それすら甘いと糾弾されるのであれば、こんな時代に生きる意味はない

未来の教科書では数行で記述される退屈な時代

月面着陸、インターネット、テロリズム

果たしてなにが未来へと受け継がれていくというのだ

 

だけど頑張って生きるしかない!

生きて生きて死ぬまで生きるしかない!