二十七歳の地図

日記・詩・小説をつらつらと書き綴っています

小説

【小説】奈之浜diary

夏の終わりの奈之浜海水浴場は独特の雰囲気に満ちていた。日中あらゆるものを照らしていた赤い陽がようやく沈み、奇妙なほどの静粛に閉ざされた海を見ていると、こうすけの胸には穏やかな気分と不安な気分とが同居していた。 こうすけは陽が沈んでからの時間…

『Innocent boy and Strange girl』

対話形式です。 すっかり人々を魅了した雪も溶けきって、さやわかな温い風が吹いていた夜だった。僕は行きつけのバーに行くと、顔なじみの連中がアルコールの力で現実から目をそらそうと必死だった。 その娘は露出の多い服でとりわけ目立っていたが、カウン…

『喜びの意味』〜Dear Great Singer〜

YUIの『feel my soul』という曲を短編化してみました。 喜びの意味 二段ベッドの下の段で布団をかぶっていた。頭まで覆う柔らかな羽毛の香りには、わたしの涙が混じっていた。 もう何時間こうしているのかわからない。いまのわたしは時間から解き放たれた世…

『The Graduate』

まったく眠れないので、軽い短編を書いてみます。 The Graduate 蒸し暑い風が体中にまとわりつく朝。俺はいつものように重い体を起こして学校へ行ったんだ。 いつもの通学路、いつもの自転車置き場、いつもの校舎、いつもの教室。すでに教室には見慣れた連中…

『孤独なダンサー』〜Homage of The Dance Hall〜

短編を書いてみました。 尾崎豊の『ダンスホール』という曲を元に小説風にしてみました。 孤独なダンサー あの日、僕は彼女に出会った。 その夜、僕はいつも通りに四人の友人と退屈な家から抜け出し、タバコをふかしながら歩いていた。やさしい秋風が頬を撫…